When
君が代は、いつできたのか
「いつできたか」は、何を指すかで答えが三つに割れます。歌と、曲と、国歌。千年以上の開きがあります。
905年頃
歌が『古今和歌集』に載ります。巻第七 賀歌、題しらず・読人しらず。成立はこれ以前で、いつ詠まれたかは分かりません。
平安中期
『和漢朗詠集』のころから「君が代は」の形が広まったとされます。それ以前は「わが君は」。
中世〜近世
賀寿の歌として、謡曲・小唄・浄瑠璃・祭礼歌にまで広がります(山田孝雄『「君が代」の歴史』1979)。
明治初期
英国軍楽隊長フェントンが最初の曲をつけます。普及しませんでした。
1880(明治13)年
宮内省雅楽課へ委嘱された林広守の旋律が当選。エッケルトが四声体に編曲し、11月3日の天長節に宮中で初演。いまの曲は、ここから。
1893(明治26)年
文部省告示「祝日大祭日歌詞並楽譜」に収められ、学校の儀式の歌になります。
1999(平成11)年
国旗及び国歌に関する法律が成立。ここで初めて、法律上の国歌になりました。
1999年まで、法律では決まっていませんでした。
見落とされがちですが、君が代が法律で国歌と定められたのは1999年です。それ以前は、長いあいだ慣習として国歌として扱われてきました。法律はとても短く、第二条に「国歌は、君が代とする」とあるだけです。
歌そのものの成立年は分かりません。『古今和歌集』に載っている、という事実があるだけです。それ以前にどれだけ歌われていたかは、記録がありません。
「君が代は」になったのは、いつか。
分かりません。『古今和歌集』(905年)では「わが君は」、のちの『和漢朗詠集』などでは「君が代は」。初句が入れ替わった年は、特定できていません。
分からないまま、いまの国歌は「君が代は」のほうを採っています。法律の別記第二も、この形です。
歌の年と、国歌の年のあいだ。
905年
歌が『古今和歌集』に載ります。
中世〜近世
祝いの席の歌として広く使われます。謡曲や小唄のなかに現れます。このあいだ、国の歌ではありません。
1880年
いまの旋律ができ、天長節の宮中で初演されます。
1893年
学校の儀式の歌になります。
1999年
法律上の国歌になります。
歌ができてから法律に書かれるまで、およそ千百年。そのあいだのほとんどを、この歌は国歌ではないものとして過ごしています。
Sources
出典
- ・『古今和歌集』巻第七 賀歌(905年頃 成立)
- ・『和漢朗詠集』
- ・山田孝雄『「君が代」の歴史』1979
- ・文部省告示「祝日大祭日歌詞並楽譜」1893(明治26)年
- ・国旗及び国歌に関する法律(平成十一年法律第百二十七号)1999年8月13日公布・施行