九 ── 広島県

福王寺のさざれ石

ふくおうじのさざれいし
所在
広島県 広島市安佐北区 可部町(真言宗 金亀山福王寺)
種別
社寺
岩質
石灰岩角礫を含む玄武岩質凝灰岩
時代
—(海底火山の浅海山腹での形成物)
台帳の分
由来の石
由来の型
特異な伝承
大きさ
左右85cm・奥行36cm・高さ34cm(高橋1988。1977年以前)
現地確認
行っていない(文献のみ)
1977年に原型を失う
未撮影1977年に原型を失う

伝承

貞観5(863)年、紀伊の千里の浜で毎夜ひかる石が見つかり、京の貴族に献上された——と平安の歌物語に記されるのがこの石だと伝わります。南北朝の頃に広島へ移り、粗末に扱うと鳴動して大雨を招くと畏れられ、福王寺に奉納されました。江戸時代の『雲根志』(1773)ほか三書に載り、文書に残る日本最古の水石とされます(村田1965)。

学術

1977年の落雷火災でわずかに残った小片の鑑定では、ミクライト質石灰岩の角礫を複数含む玄武岩質凝灰岩。伝承の産地・千里の浜の地質にこの岩は無く、産地とは考えにくい。当初献上されたのは「古屋石」(石灰質泥岩の水石)で、江戸末期までに京都北山産の「竜眼石」に置き換わった可能性が高い、と推定されています(鈴木2003, pp.246–249)。

行政

かつて旧可部町の重要天然記念物とされていました(高橋1988による)。1977年、落雷による寺の火災で無数の破片となり、元の姿は失われています。

出典
  • ・鈴木博之「『さざれ石』の由来と地質学的考察」『地球科学』57巻4号、地学団体研究会、2003年、pp.243–252

現地の板の写し

この石の板は、まだ写せていません。訪ねたときに、写します。